| 私の養殖日記2002/07-09 | |||
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| ●9/27 いよいよアユの養殖も終盤となった。現在7つの池で飼われているアユは、この1ヶ月のうちに全て冷凍となって
シーズンを終了する。 アユを重量別に選別し 1匹づつ小さなビニール袋に入れて(おしぼりを想像してほしい)それを1kgづつ小箱に入れ急速冷凍し、それを10枚づつダンボール箱に入れ、商品となる。1kgあたり8匹から16匹くらいがよく売れるサイズだ。1匹60〜120gといったところで、体長で言えば17cm〜23cmといったところか。 アユの養殖もシーズン初頭は 大きい個体を優先して飼って、相場が高いときに売るように心がけるが、冷凍となると、いかに小さすぎるモノを作らないかが重要となる。だから、選別をして 小さいアユほど環境をよくして、優先的に飼ってやる。といっても、人間や他の動物と同じで、どうしても育たないヤツも出てくる。 2月に入池したアユだが 4月には小アユとして食べられてしまったヤツもいれば、どんどんエサを食べて大きくなった順に ほとんどのアユが食べられてしまった。エサ取り競争に負けっぱなしで、いつも池の隅で腹を減らしていたやせアユはまだ大切に育てられている。なんだか身につまされる。 ●9/22 アユの友釣りというと、夏の釣り 8月までという感じがする。事実 9月になると、多くの河川でヤナが作られたり、ゴロ引きが解禁になったり、網も入る。釣って楽しむから漁に変わるわけだ。しかし 狩野川は9月になっても漁をしないし、最近ではヤナも作らないので、まだまだ アユの友釣りをしたいヒトは 狩野川へ来る。 月別だと、9月がオトリアユの売り上げが一番多いこともある。特に敬老の日とこの秋分の日のからみの連休には 解禁当初を思わせる程の釣り人が東京方面から押し寄せる。養魚場としても、夏も終わり、 アユがぱったり売れなくなった秋に、余ったアユが 高い値段で売れるのだから、とってもありがたい。 ところが、今年の9月の2回の連休は天気が悪い。 狩野川のアユ釣りは、この後 体育の日はもちろん、11月の文化の日も賑わう。私がオトリアユの配達をしていた頃は、11月23日の勤労感謝の日まで アユが売れた。 ●9/19 今日のお昼はサンマを食べた。今年3度目だ。いつもKFSの受け付けの裏で私が焼いた。もちろん炭でだ。炭で焼いたサンマはうまい。油が乗ったサンマほど、ポタポタ落ちた油に火がつき 焼きにくい。ところが、この焦げたところがダイコンおろしと よく合う。 昨日も書いたが、サンマが獲れ始めると マスもアユも売れなくなる。サンマは1匹100円で買えるし、1匹で充分おかずになる。おそらく 肉類も惣菜も影響を受けているはずだ。 ビールを飲みながら(サンマの時は昼間から 缶ビールぐらい いいだろう)う〜ん、これじゃ マスもアユも売れなくてもしょうがないなと思ってしまう。サンマの食味は強烈だ・・・つまり しつこい。 毎週1度、4〜5回食べると もうしばらくは けっこうということになる。だから他の食品は救われている。 しかし、みんながサンマを4〜5回食べ終わった頃には、すっかり秋も深まって アユは冷凍になってしまう。 ●9/18 強力だった今年の夏も さすがに力尽きたのか 1週間程涼しい日が続く。夜もぐっすり眠れるので、気持ちがいい。 経験的に 今頃になって 夏の疲れがどっと出て 風邪を引くことが多かったので、この時期は とにかく早く寝ることを心がけている。具体的には 9時前にはフロに入り、9時半には床につくようにしているが、最近はPCに邪魔されて 10時過ぎまで起きていることもある・・・現代人(でもないか?)としては、早寝だろう。 正月頃に稚アユが入って ずっと緊張が続き、春夏は販売も忙しく、9月になったとたん、池のアユも減り 売る方もヒマになって、気候的にも 仕事的にも、とってもいい時期となる。(本当はヒマなのは 困るのだが)これからはサンマがガンガン獲れるし、すぐナベ料理の季節となるので、アユもマスも売れない。 ヒマだから、残ったアユの一部から メスだけを選別して、ひと池に放した。1ヶ月位すると、立派な子持ちアユになるはずだ。今年は、この子持ちアユを 釣り人に売りつけて、少しでも売り上げを伸ばそうと考えている。 そうだ、アユのひらきも売りつけよう。 ●9/12 まだまだ日中は暑いが、生き物は秋を感じている。アユも今頃から成熟し始める。海産アユは 成熟するのが遅いのが特徴で、まだ精巣も卵巣も小さく 外見では若々しい。といっても これは韮山分場の水温の高い池であって、KFSの養殖池のアユは早くも婚姻色が鮮やかに出ている。このままおくと、メスは子持ちとなって付加価値がつくが、オスはやせて黒くなってしまい売れなくなってしまう。で、まだ売り物にならない小さなアユを、今日は韮山分場へ運んだ。もう 秋だな〜と思っていたアユたちは いきなり水温が5℃近く上がったので、なんだまだ夏か と勘違いして、さらにエサを食べて大きく育つ。 そしてこれからは、夜間水銀灯を3〜4時間点灯して、日照時間を長くして、ほ〜らね、まだまだ夏でしょ、成熟するのは早いよ と言い聞かせながら 育てることになる。成熟が早いビワ湖産だと、8月中には電照を始めなければならないが、海産だと9月いっぱいは大丈夫だ。 今年は最近にはめずらしく、この時期になってもアユが全部の池に入っているので、水銀灯による電照を始めると、養魚場の周囲も明るくなって、夜 歩くヒトにはありがたい。 ●9/10 とあるレジャー施設で、夏以外は使用していないプールにトラウトを放して 釣りをさせる ということで、今朝レインボーを配達してきた。こういう注文には注意が必要だ。 例えば、レインボーを100kg配達するのは いつもやっていることだから 簡単だ。問題は、どうやってサカナを現場へ降ろすかだ。普通のヒトは 100kgの活きたサカナというのは 経験がない。10kgのコメ袋10個だろ なんて考えていると、とんでもない。100kgの活魚には500Lの水がいっしょになっている。 だから、初めて配達する時は、私はトラックからサカナを降ろすところまではやるので、そこから現場までは お客さんが運んで下さいという。ひどい話のようだが、案の定 今回もトラックが着いたところから、プールまで50mの坂道だ。 前もって 上記の様に連絡しておいたので、そこのスタッフが4人手伝ってくれたので、無事降ろせた。桶に水20L・レインボー10kgづつ入れて運ぶと 10往復だ。ひとりだったら腰が痛くなってしまう。もちろん過去にひどい目にあっているので、かしこくなったのだが。 それにしても、ピカピカに磨かれたブルーのプールにレインボーが泳ぐのは、ブランドショップ街に私が迷い込んでしまったかのようだ。 ●9/9 カンボジアにはトンレサップ湖という東南アジアで一番大きな湖がある。 その面積は乾季でビワ湖の3倍、雨季には10倍にもなる。 私たちが行ったときは、雨季で 水かさも増していて、乾季には草原や森林であろうと思われるところが 水没していて、水面には緑の木が頭だけを出して 延々続いていた。ガイドの説明では、雨季に この水中の森や原で、サカナが産卵繁殖して大きくなり、乾季になって 水が少なくなると、サカナが少なくなった水辺に集まるので、それを獲るという。熱帯地方なので、一年中 水温が高く、プランクトンも多いのだろう。小さな港の中や水上ハウスのまわりにも小魚がうじゃうじゃいる。淡水のエビも豊富で、いたるところにサクラエビのように乾してある。もちろん大型の肉食魚もいるのだろうが、水辺が豊かなので 隠れるところはいくらでもある。 日本でも、必要以上の治水工事により ホンクリート護岸やダムが批判を浴びているが、なるほど こうして見ていると、サカナと水辺・生命とコンクリート護岸の関係がよく判る。 カンボジアは長かった独裁と内戦で復興が遅れている。ちょっと先進国だと勘違いしている日本と同じ失敗をしないように、開発治水をしてほしいものだ。 ●9/8 9月に入ると、旅館や料理屋のメニューから アユが外されることが多いので、注文はめっきり減る。 当然 仕事もヒマになる。8月までは 朝5時には起きていたのだが、これからは6時に起きれば十分だ。 アユは夏までは 活魚や鮮魚で売り、秋になって残ったモノは冷凍にして、翌年に売ることになる。昨年・今年と全国的に この冷凍アユの生産量が急激に落ち込んでいて、この不景気に価格は高騰、作ればすぐ売れる状態が続いている。じゃあ たくさん作ればいいじゃないかということになるが、これが出来ないのが 歯がゆい。 健康な種苗が無い が原因なのだが、アユ養殖自体が もうからないという雰囲気となって(事実だが)生産意欲がなくなってしまったということもある。 事実 私もそろそろアユから手を引こうかと、ここ数年思っているが、今年は前半後半とも良い種苗に恵まれ、現在もアユの養殖池は満タンにアユが泳いでいる。 しかし、パチンコと同じで(私はやらないが)勝ったところで引く、というのも賢い。 ●9/3 ベトナムのホーチミンを午後歩いていると、空がにわかに曇り 涼しい風が吹き始め 遠くでゴロゴロ鳴り始めた。 突然 稲妻が空を引き裂いたかと思うと、空気の振動と共にガラガラと轟音が鳴り響く。3〜4回それを繰り返すと 大粒の雨が視界を遮る勢いで降ってきた。スコールってやつだ。近くのマーケットに避難して1時間、雨は止んで通りにヒトが戻った。 私が子供の頃は、夏休みに外で遊んでいると、週に1〜2回は夕立がやってきた記憶がある。公園で遊んでいれば トイレに逃げたり 走って家に帰ったりした。雨が上がると 夕方にはとっても涼しくなった。 最近 夕立って まったくなくなったと思うが、なぜ? 河川水を利用している養魚場では、夕立はけっこう恐い。 夏の太陽に熱せられた山の斜面に降った雨が集まって 川に流れ込むと、水温が一気に上がり 濁りも入る。 それが養殖池に入ってくると、トラウトは濁りと水温上昇で 酸欠となり 大量に死ぬことがある。 そういえば、最近そんな被害も聞かなくなった。 ●9/1 今日は防災の日だ。KFSの前でも午前中は消防車が来て演習をやっていた。 KFSがある静岡県といえば、東海地震だが、明日揺れてもおかしくないと言われ続けて、20年以上になる。だんだん忘れかけていたが、最近けっこうやばいらしいな〜んて言い始める学者もいて、ちょっとこわい。 最新の予想では被害の範囲がだんだん西にずれながら拡大していて、名古屋付近まで入ってきた。 よりによって、なんでこんなところに住んでいるんだろう なんてよく思ったものだが、揺れる範囲が広くなると 仲間が増えたようで、不謹慎ながら少し安心する。別に自分たちのところの被害が減る訳でもないのだが・・・だいたい予想が当たるとも思えないし。 しかし、地震が来て、電気が止まり 発電設備も壊れ、サカナが全部死んでしまったら、どうやって片づけるのだろうか。 KFS全体では、常時50〜60トン以上のサカナが泳いでいる。3日もしたら、どろどろに腐って悪臭を放つにちがいない。時々 真剣にそんなことを考えるが、結論に達したことはない。 とりあえず、東海地震が少しでも遅くなるように祈るだけだ。 ●8/21 今日の夕方、全国版のラジオ放送で「半天然アユって何だ?」というお題で放送していた。アユ業界ではなんの不思議もなく 半天然アユ 天然仕立てアユ 等と称して、色揚げ成分や天然の珪藻を混ぜたエサを与えたアユを市場に出荷していたが、最近の食品の表示法によってメスが入ったらしい。 確かに紛らわしい感じはするが、各業者がけっこうまじめに試行錯誤で、他業者のアユとは差別するために努力していたことを、私は知っている。ただ、基準が無いので、最近では普通のアユを単に木箱に並べ(通常はスチロール箱)天然仕立てアユとして 市場に出回っていたということも聞く。これからは全て「養殖アユ」としか、表示できないという。アユ程、天然と養殖モノを差別されるサカナもないだろう。養殖アユのようなヤツなんて言い方もあるらしい・・・どんなヤツだ?そんなことが半天然アユなんて商品を生んだのかもしれない。 今、食品の表示方法が厳しくなっているが、自分達の身に降りかかってみると、なんでもいっぱひとからげで良いのかとか、他の食品業界でも努力の結果をどう表示したら良いのか、神経をすり減らしているだろうと思えてしまう。 KFSでは20年以上も市場にアユを出荷していないから、ケンケーないようだが、養殖アユのイメージが落ちるのは困る。 ●8/18 今日のKFSの地下水位は プラス32cm。 普通の方は 意味が判らないかもしれない。KFSの養魚場には 昔ボーリングした井戸が何本かある。私はその井戸の水位を1995年頃から観察しているが、その水位が、さっき測ったらプラス32cmだった。つまり地面から32cm上まで地下水が自噴していることだ。だから32cm以上のパイプを井戸の上につないでおかないと、水びたしになる。私は水が豊富なKFS周辺で生まれ育ったので、地面から水が噴き出したり、いきなりそこから小川が始まっているのはめずらしくないが、町中で育った普通のヒト達には理解しがたい光景かもしれない。 この8月のお盆休みは、たいてい一週間くらい 上流の大きな工場が揚水ポンプを止めるので、地下水が一気に増える。富士山からの雪解け水とあいまって、地下水位が年間の最高を記録するのは ほとんど今頃だ。 釣り池に流入する湧水も増え、きょうはちょっと涼しかったので、一番水温が上がりやすい2号池でも17℃しかなかった。 ●8/17 世間様の夏休みも 明日の日曜日でほとんど終わる。 アユが料理屋さんや旅館に売れるのも、だいたいこの頃までだ。あと来週1週間が この休みに仕事をしていたサービス業の人たちが休んで 少し賑わい 夏も終わりとなる。 1月に種苗を池入れして、ずっと世話をしてきたアユ養殖も、いよいよ終盤に入る。野球で言えば7回の裏が終わって、まあ勝負は見えてきたか といったところだ。 私のところでは、アユ養殖(マスもだが)最盛期の5分の1位にまで縮小してしまったので、すごくもうかった とか すごく損した ということはもうないが、今年は海産アユが入ったので、病気の心配も少なく 成長も良かった。また、全国的にアユ不足で この不景気にあっても 売るのには苦労しなかった。ここ10数年では、楽をした年であった。最近 アユもマスも当然のようにもうからない。だったら、せめて病気も売る苦労も少なく 楽をしたい、というのが本音だが、もちろん世の中はそんな甘くない。もうからない時の方が 苦労が多く、忙しいほど損をしたりする。 この後も、残ったアユは10月中旬まで飼い続けるので、油断はできない。 ●8/12 KFSの養魚場は、湧水の水温15.5℃とアユを飼うには低すぎるので、池中水温が少しでも上昇する5月中旬に韮山にあるアユの養魚場から タバコぐらいに育ったアユを運んで育てる。アユの中でも海産アユは 特に水温が低いと成長が遅く 16℃の水温では、21℃の池と比べると 半分以下の成長速度と思われる。事実 韮山のの21℃の池のアユは7月中にほとんど売り切ったのに、KFSの方のアユは やっと8月に売り物になる。ただ、20℃以下の水温で飼ったアユの方が美しく強いというのも 大方の事実だ。特にKFSの養魚場は ビニールハウスになっていないので、太陽の光を直接浴びるためか それともそれによる水質や発生する藻の違いのためか、黄色味が強くツヤツヤしたアユができる。 今日は、そのアユが1万匹以上 大型トラックで 初出荷されていった。もちろん 評判もとっても良い。 ●8/10 当然のことだが、私の家には自家用プールがある。もちろん 空気を入れて膨らませるビニール製のやつではない。直径11m水深1.5m 水流をつけることもでき ナイター設備付き しかも屋内ときている。 16時過ぎに自宅に帰って、サカナの世話をして 汗だくになった後、このプールでひと泳ぎするのが、私の夏の楽しみだ。水は地下100mから汲み上げているから、もちろん飲めるレベルだし、ばっ気しているので 水温は27℃位になっていて快適である。もちろん塩素で消毒する必要もないので くさくない。 子供たちも 夏休み中は 毎日のように泳ぐ。 アユを放して つかみどりをしたこともあった。自家用プールがある生活は本当に楽しい。 もちろんこのプール、人間が使わないときは サカナも飼えます。 私の自宅には6面の自家用プールがあるが、現在そのうちの5面には アユが泳いでいる。 ●8/5 8月になると、伊豆へ観光客がどっと押し寄せ、観光地はヒトだらけ、旅館はどこも満員、アユはいくら作っても足りないという時代があった。1980年代かな。また、その頃は アユも順調に育った。それでも8月20日を過ぎると ぱったりと売れなくなるのがアユだ。だからそれまでに いかにたくさん売るか、育てるかが、勝負となる。8月10日を過ぎると日本中の道路が混むので、遠くにまとめて活魚で売るとなると 今頃がピークとなる。 90年代に入って 景気が年々悪くなるにしたがって 伊豆の観光客も減り アユも売れなくなった。 毎年、今年が底かと思っていても、翌年にはさらに落ち込む。そんな状況になって10年以上がたった。 ある年に突然今の状況に突き落とされたら、みんなつぶれてしまっただろうが、じわじわとこうなったので、設備・生産を縮小したところは かろうじて生き残っている。 カエルを入れた水槽の水温をじわじわ上げていくと、カエルはなんとなく気持ち良くて 、あっやばいと思った時は手後れで死んでしまうという。いきなり湯の中に放り込めば、あわてて逃げるのに。 ●7/22 そんなこともあって、KFSの養魚場では サカナが売れて 養殖池のひとつが空になると、必ず水道水よりは高濃度のカルキ(塩素)を溶かした水を高圧洗浄機で池の壁面や底に吹き付けます。ただ これだと 水路や通路は消毒できないので、今回のように ひとつのブロックのサカナが全部片付いた時には、そのブロック全体を塩素消毒します。といっても 塩素で消毒した後の水を排水すると ヤバいので、何日間か放置して効力がなくなってから 排水します。そういう訳で先週は北1,2号池は閉鎖となっていました。 最近造られた養魚場施設では 各池ごとに簡単に消毒ができるようになっている場合が多いようですが、これはその前に病気で苦労したことの現れであるでしょう。また、河川水を利用した養魚場では 多くの場合、自然落差を利用して注排水しているので、池を完全に空にすることができずに苦労しているようです。また、自分の池を消毒しても 上流の養魚場が病原菌を垂れ流していたら、たまりません。 ●7/19 水温が一年中一定だと、サカナは一年中ほとんど毎日 同じ様にエサを食べ 同じ様に成長します。しかし、その水温を好む細菌や寄生虫にとっても 一年中繁殖しやすいことになります。といっても防疫態勢さえしっかりしていれば、ほとんどのサカナが一年以内に売られてしまうので 影響はありません。特にアユの場合は一年魚なので、普通に飼っていれば 一年のうちの2ヶ月間は 池が空になるので 問題ありません。 最近スーパーでよく目にする銀ザケは200g位まで淡水で育てられて、主に東北の海へ運ばれ海面養殖されます。この銀ザケの稚魚も湧水で飼うと病気もせずに すぐに大きくなるのですが、海に移されてからの評判はイマイチです。河川水は 夏に20℃を超える日もあります。この高水温を通り抜けた銀ザケは、海に運ばれても 銀ザケ特有のウィルス性の病気に罹りにくいと言われています。 これは レインボーの高温養殖と同じで、高水温が何かに作用して、そのびょうきに対する免疫ができたと思われます。 他の病気でも、夏になって水温が上がって治った、冬になって水温が下がったので小康状態になった等というのは よくある話です。 もちろん水温が上がり過ぎて、全滅なんてこともあります。 いずれにしても、地下水 湧水を使って、一年中同じ条件で飼う方が楽です。 ●7/17 KFSおよびその養魚場が使用している水は、富士山からの湧水で 水温は年間を通じて 15.5〜15.7℃と超安定している。池に注水されて外気温の影響を受けても 夏で18℃冬で13℃までの変化で収まっている。大雨が降っても濁ることはない。 だから1年中サカナ達は 同じ様にエサを食べ 同じ様に成長する。釣り池でも 1年中釣れる。 他処の養魚場や釣り堀の方が聞くと、なんとうらやましいと思うはずだ。 ところが水温が1年中安定しているというのは 良いことばからでは、ない。 さて、ここで問題。KFSのように1年中同じ様な条件下でサカナを飼える養魚場の問題点は何でしょう。 もうかり過ぎるというのは、ウソです。 ●7/16 台風6号に続き 台風7号もすれすれで直撃は免れた。岐阜県の水害のTV中継を見ていると、KFS周辺にもあんな雨が降ったら どうなるのかと心配してしまう。 ご存知の通りKFSはくぼ地にあるので、近隣の側溝の水が隣りの境川に流れ込み 濁流となり押し寄せる。あのきれいな水が流れている境川が コーヒー牛乳の色となり ありとあらゆるゴミが恐ろしいほどの勢いで流れていく。 何年かに一度は 初心者池の上流の水路へ境川からあふれた水が押し寄せ、初心者池 5号池は危うくあふれそうになる。が、今まであふれてサカナが大量に逃げ出したことはない。あの昭和33年の狩野川台風の時もどうにか無事だった。境川はKFSのすぐ下流で急に広くなっている。それが幸いしているのかもしれない。しかし上流の開発が進むに従ってちょっとした雨でもすぐに水が増えて濁るようになった。 ●7/14 レインボーの養殖には 大量の水が必要となるので、普通は河川から水路を使って水を取り入れる。もともと売り値が安いサカナだったので、電気を使って汲み上げた水で養殖しても、利益が出ないと思われていたが、実際には地下水や湧水を使用すると 一年中水温が安定していて 濁ることもないので 計画生産ができる。病気に有利。池の構造を比較的自由にできるので 他のサカナも飼うことができるので、どうも電気代を払っても こっちのが もうかるかな?ということになってきた。 で、たくさんの揚水ポンプ たくさんの水車がまわり それらが止まると 即 酸欠死という状況が生まれ、立派な発電機が必要となった。 アユ屋に関しては もともとアユは単価が高く もうかるぞ というところからのスタートだったし、水量もトラウトと比べれば10分の1も必要ないので、ほとんどのところが 地下水をポンプアップして 水車でばっ気するのだ常識となっていた。で、アユの養殖施設といえば、発電機も最初から含まれていた。 アユは電気で飼うサカナであり、電気が止まれば 即 死ぬという認識だ。 ●7/13 掲示板に質問がありましたが、発電機がなかった時代は停電時どうしていたのでしょう。正確には発電機が存在していなかったのではなく、高価で設備できなかった・・・ということです。 まず、なぜ発電機が必要なのかといえば、養殖池に水を入れるためのポンプ・ばっ気用の水車の電源確保が主ですが、それ以外にも冷凍庫・照明等のためにも あった方が便利?です。 実はこのような設備のもとに民間人が養殖をするようになったのは、ここ30〜40年のことです。 初期の内水面養殖は、河川水を水路で取り入れたり、湧水があるところに自然落差を利用して水が入るように 池を作っていたので、ポンプは必要ありませんでした。また、電気を使ってばっ気してまで大量のサカナを飼うという意識も無かったようです。つまり電気を使用していなかったので、発電機も要りませんでした。 その後少しでもたくさんサカナを飼おうと水車が導入され、放養密度が上がってくると、停電は大問題となってきました。また昔はやたら停電しました。それでもしばらくは発電機という発想やお金は無く、停電すると小型のエンジンポンプでヤバそうな池をばっ気して 電気が復旧するのを待っていました。 ●7/12 九州から入ったアユは、1匹単価は安い年の3倍くらいする。アユがたくさんある年は 日本中どこにもあるので、単価も安い上に 近くから運べるので 運賃も安い。この時期に九州から高い運賃をかけて運んだのは初めてだ。今からこのアユ(10g)を育てても相場が落ちきった頃にしか売り物サイズにならない。例年の相場なら 当然この分に関しては赤字である。 今年は 全国的に海産アユのそ上が多く、静岡県や神奈川県の河川もアユがたくさんいる。その割に早期の種苗が悪かったのか各養魚場にはアユが少ない。海産アユは成熟するのが遅く 10月いっぱいは各河川とも友釣りができる。当然秋にはオトリ用のアユが不足すると考えられる。で、タイミングよく このアユが登場する・・・もくろみだ。昔からアユの養殖はばくちだと言われている。他所の養魚場も私と同じ考えで、今高い稚魚を一生懸命仕入れていたら、みんなで大赤字となる。 もちろん私はばくちはおろかパチンコもやらない性格なので、このアユばくちに負けても、掛け金だけは取り戻せるようにしてある。つまり、このアユを大きく育てて売れなかった場合でも、冷凍にして普通に売れば 元ぐらいは取れそうな価格であることを計算して小アユを買った。 いずれにしても 途中で死んでしまったら、まったくの損だ。 ●7/11 昨日の台風は、KFS周辺では さほどの雨も風もなかったが、それでも130mmの雨量となった。台風の時は被害があると大変だが、何事もなければ かえって仕事もできないので ヒマだったりして たまっているビデオを見たりする。 実は、昨夜真夜中に九州から小アユが運ばれてきた。朝、九州を出発したというので、16〜17時間かかって 台風といっしょにやってきたことになる。いつもだと夜9時頃到着するのが、夜中の12時をまわっていた。台風の影響で遅れたのだが、それが幸いした。夜の9時頃は雨風とも最高潮の時間だった。 稚アユや小アユを運ぶときには、水温12℃位まで下げ、約塩を0.5%混ぜて運ぶ。夏に長距離を運ぶと 水温が上がる。また水質も悪化するので14〜15時間が限界かもしれない。昨夜のは18℃位まで上昇してしまい、水も濁ってしまって かなりアブないところだった。 もう台風もこないぞーという10月上旬には、大きく育ってくれるはずだ。 ●7/10 台風がKFSを目指して接近している。 台風を好きなヒトは あまりいないと思うが、養魚場をやっていれば、台風こそ世の中で一番きらいなモノになってしまうかもしれない。停電が恐いことは何度も書いた。台風が来そうなときは、場内の風で飛んでしまいそうなものを片づけたり、もちろん発電機のチェックもする。 そろそろ台風の影響があるかなと思われる15:35停電した。おいおいまだ台風は来ていないぜ、予行演習か?なんて思っていたら、なかなか復旧しない。10分経過・・・最近にはない長い停電だ。20分経過・・・あれおかしいなあ、外に出てみると信号機も止まってしまい、おまわりさんが手信号でがんばっている。30分経過・・・こりゃ東電 停電に気づいてないのか?1時間近くして やっと送電されてきた。台風が来る前にこれでは、先が思いやられる。 発電機は本当にエラいやつだ。いつもほこりをかぶって じっとしていても、やる時はやってくれる。いつも値段ばかり高くてろくに仕事をしない、なんて文句を言われていても、機嫌良くまわってくれた。 ●7/5 不景気だというのに今年はアユの相場が割りとよい。これはもちろん生産量が減ったからだが。 全国レベルで見ればピーク時の半分位までになってしまったのではないかと思われる。事実私のところでも ここ10年で3分の1くらいにまで生産を落とした。アユは日本を代表する淡水魚、季節を感じさせるサカナ、夏の観光シーズンには欠かせないサカナとして定番になっている。 アユだけは季節になれば売れるモノと信じていた。それが半分となれば価格は高騰しパニックになってしまうと思っていたが、実際そうなってみるとなんてことはない。別に無ければ無いで かまわないらしい。 アユが無ければ別のモノを使う。実は恐いのはこれであって、他のモノがメニューにとって変われば それが定番となってしまう。そして市場は縮小してしまう。生産量が少なくなっても、消費が同じだけ減れば、売り値は同じで総売り上げが落ちる。ますます他業界との競争力が無くなり 自滅していく。まるで何とかスパイラルのようだ。 今年はきのうも書いたように、冷凍アユができない。だから来年もアユの相場は良いだろう。だから恐ろしい。 ●7/4 アユの養殖も7月に入ると折り返しを過ぎる。このあたりまでに どのくらいの量を売ったかが、その年の成績の基準となるだろう。 冬に入池した種苗が順調に育ってないと、この時季までに商品となっていないだろうし、相場もだんだん下がってくる。何より重要なのは この時期は2期作目の準備のため、養殖池をいくつか空けなくてはならない。冬に入れた種を夏に売って商売になればよいのだが、そんなうまい話はめったになく(昔はそうだったらしい)少しでも売り上げをのばすために ここで 稚魚をもう一度入れて、秋にアユを作ろうという訳だ。といっても、10月11月にアユがそんなに売れる訳がなく、ほとんどを冷凍して来春に売ろうという考えだ。 ところがここ10年ほど変になってしまったアユ業界。その稚魚が無いのだ。稚魚が無い?・・・冷凍アユができない?・・・相場が出る?・・・じゃあ作れば儲かるじゃん。そうなんだよネ。で、最初の稚魚が無いにもどっちゃう訳なのだが。 私のところでも、養殖池を空けたが どうなることやらです。 |
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