●3/31 トラウトは 成長するにしたがい、大きさに合ったエサを与えるために
選別して 分養していく必要があります。
極端に大きさの違うサカナを いっしょに飼育していると、小さな個体は いつもエサを満足に食べられず ますます差がついてしまうばかりか、栄養失調で死んでしまいます。
大きさを揃えたら、大きい個体には 大きいエサを、小さい方には 栄養価が高く細かいエサを与えます。
また、選別する事により、格サイズの在庫量を把握して、出荷予定を立て 注文に応じられる様にします。
前にも書きましたが、選別は 池のサカナを地引き網で 全部集め、とおしと呼ばれる 5mm〜25mm巾でパイプが並べられたフィルター状のもので、小さなサカナは
下に落とすという 原始的なものです。
養魚場の仕事の中でも、一番大変そうに見える仕事で、実際 新人にやらせると、1日で まいってしまいます。
●3/30 夏は、マスやアユもよく売れ、魚屋さんも
料理屋さんも買いに来ます。
朝早く来られる方もいるので、朝食前に お得意様別に 仕分けをしておく。古き良き時代といっても 10数年前は、私など 朝4時半頃から、アユを仕分けし
氷づめにしていた。養魚場の朝は 殺人的な忙しさ、こんなこと一生続けるのかと思っていたら、不景気になって すっかりヒマになってしまった。
敷地の半分以上が 釣り池になってしまった今は、スタッフが朝メシ前に 死魚回収、ゴミ拾いをしています。
いずれにしても、朝は仕事がはかどるので、養魚場のヒトは みんな早起きです。
まあ、通勤の代わりに 仕事しているみたいなものですが。おかげで、毎日朝メシが うまいです。
●3/29 養魚場の朝は早くて、基本は 明るくなったら起きる、です。朝、少しでも早く
魚の状態を見ると同時に、水車やポンプ等に 異常がないかチェックしなくてはなりません。
普通、水車やポンプが 事故で止まって、酸欠状態になるまで 30分〜2時間位です。それから 魚が死にはじめて、数時間で全滅状態になります。少しでも早く異常を見つけて
対処することが、被害を最小限に食い止めます。
今でこそ、養殖用機器も 信頼性が増し、上記のようなことも めったにありませんが、私が子供の頃は、夜中や早朝に水車が故障して 大量に死んだ魚を、従業員が忙しそうに後始末をしていたのを、覚えています。
特に、アユの場合は、ひと池数百万円ものサカナが入っている場合もあるので、寝る前のチェックと 早起きは、基本です。
●3/28 養魚場の仕事は、昔ながらの力仕事が多い。
いつまでたっても、合理化されない。機械化されない、と同業者の間でも話題になる。
先日、私の養魚場のスタッフのひとりTさんが70才で退職した。私の父が独身の頃から 17才で当養魚場で働き始めたというから、勤続53年ということだ。もちろん私が生まれるずっと前から
働いている訳で、昔の写真を見ると Tさんにだっこされたり おんぶされている私がいます。
リヤカーや手押し車、エサ用のイワシやサバも写っています。今なら、フォークリフト、ペレットが入ったトランスバッグといったところです。
そうしてみると、この業界も やっぱり合理化されているのでしょうか。
Tさんの昔話や、私の体験などを織り交ぜて、養魚場の実際の仕事内容を、何回かに分けて書いてみます。
●3/17 限界の放養密度に達してしまうと、病気が出やすく、
また 発病した場合 直りにくいので、早めに分養する必要があります。つまり、一池に入っていたアユを 二池に分ける訳ですが、いつでも もう一池用意できる訳ではありません。
本当は、限界を超えた量を取り上げて、売ってしまうのが一番いいのですが、この不景気ですから 思うようにいきません。
私のところの場合、この時期は ニジマスが 芦ノ湖やよその釣り堀等に売れて、養殖池が空くので、順次ニジマスの養殖池へ移動していきます。
そして、分場のアユの養殖池が 一池でも空いたら、また 稚魚を購入し 夏以降の出荷分を 確保します。
ただ、現実としては、最近は 他の産業と同じで、作れば売れる時代は 過去のものとなり、上手に生産調整をしなければなりません。
生き物ですから、売れ残り 余計な在庫は、命取りとなります。
●3/16 12月29日に 0.3g位で入池した稚アユは、順調に成長を続け、3月16日現在
大きい方が20〜25g 13〜14cm、小さい方が15g位 11〜12cmまでになった。
総重量では、1000kgを軽く超えている。30kg稚アユが 75日で35倍以上に成長するというのは、ちょっとおどろきかもしれませんが、私のところが特に早い訳ではなく、平均よりは
ちょっと 早いかな くらいです。
これからは 成長に伴い、総魚体重が 養殖池の許容量の限界に近づいてきます。許容量は、水量・水温・アユの大きさによって違いますが、私のところでは
このままいくと、あと20日間位で ひと池1000kgを超え 限界になります。限界といっても、それ以上飼えなくなるという事ではなく、給餌量効率が悪くなったり、病気になったりしてしまうことです。
●3/9 きょう ラジオでビニールハウスで地面から70〜80cmのところに苗床を作り
イチゴを育てているイチゴ農家の話をしていた。
そのイチゴに液肥を与えるのだが、余って地面に垂れていたのを利用し その下でいろいろな野菜を作ったら とても調子が良いとのことでした。もちろん
商売にする程にはならなくて、朝市に出したり 自家消費しているそうです。
養魚場や釣り堀でも 大量の排水と毎日廃棄される魚があります。何か簡単で楽しい利用法がないものでしょうか。
ピラニア飼うのは、ダメです。
養魚場の排水には よくクレソンが大量に成育しているのを見かけますが、かえって始末に困っている様です。
●3/4 スーパーの話に戻ります。スーパーの売り場
特に生鮮食品のコーナーは、その棚のひとつひとつが まさに激戦区だ。あそこに商品を置かせてもらうのも大変だが、それを維持していくのは 並大抵ではない。
私も、スーパーにアユやニジマスを納めたことがあったが、そのサイズ管理(品質ではない)の細かさに、バカバカしくなって すぐやめてしまった。
ともかく、そのショーケースにあったニジマスだが・・・ヒレが無い。ヒレは品質のあかしだと判っているのに。そんなニジマスを買ってくれた主婦は、やっぱり神様です。でも、神頼みは
いつまでも続かない。
●3/3 みなさんは、日本のニジマスの生産量をご存知でしょうか。
十年前の1万3千トンをピークに減りつづけ、現在は1万トン位です。少なくなってしまった理由は、後で書くことにして、1万トンという量は 多いと思いますか。旅館で出るのが1匹100g、スパーに並ぶのが150g、釣り堀で使うのが200〜1000g。仮に平均200gとしても、1万トンは5000万匹。日本の国民ひとりに1匹いきわたりません。
だから、おもいきりTVで みのもんたが、 ニジマスは花粉症に効くとか 長生きの秘訣だなどと言ったら、パニックになってしまいます。
なのに、現実は、その1匹 いや2人で1匹をも食べてもらえない。だから、きのうのスーパーの主婦が神様に見えてしまうのです。
●3/2 近くのスーパーのちらしにニジマス特売3尾450円というのがあった。珍しいことである。さっそく昼休みに行ってみたところ、鮮魚コーナーに2〜4匹づつパックに入って15パック程
置いてあった。しばらく見ていたが 誰も買わない。あきらめて 弁当を買ってレジに並んだところ、前の主婦が4匹入り600円のパックを持っていた。思わずインタビューしてしまった。家族で、バター焼きにして食べるとのこと。ちょっと泥臭いが、きょうは安いから買ったそうです。1年に何回か買って食べるそうです。他の食品でもそうですが、この売れない時代に
ありがたいことです。神様に見えてしまいます。
スーパーで売っているニジマスに限らず、食品としてのニジマスって、どんな存在なのでしょうか。
ちょっと おそろしくて、聞けない気もします。
買って食べている方 いますか?
●2/7 さて、その選別の結果
平均魚体重3g位のアユが90kgと、1.5g位が80kgに分けることができました。大が3万匹 小が5万匹といったところでしょうか。これは、あくまで計算値で、どんなに慎重に計っても、必ず
マイナスの方へ15〜20%の誤差があります。ですから、実数はトータルで 6〜7万匹となります。ネットで 稚アユを 何千匹づつもすくう時に、完全に水を切れないことが
誤差につながる訳ですが、これは、魚の売買には いつも問題になります。
稚アユが12月29日に 入池した時は、わずか30kg。それが、約40日後には 170kgになるのですから、アユの成長の速さが判ります。人間だったら、大変です。
もっと 早く成長させる事もできますが、一歩間違うと、死んでしまいます。アユは、死ぬまでエサを食べます。
●2/6 12月29日に、九州から運ばれてきた稚あゆは、その後
順調に育ち、今日選別しました。
この場合の選別とは、大きさを大小に分けて、2つの養殖池に分養することをいいます。
どんな養殖魚でもそうですが、ある程度個体の大きさを揃えると、管理がしやすいだけでなく、大きい魚には 大きいエサを、小さい魚には 栄養価の高い小さ目のエサを与えることで、歩留まりも
飼料効率も良くなるようです。
この後 1ヶ月程すると、 又 サイズが不揃いになるので 選別します。こうして、3回位 選別をすると、出荷サイズになります。
選別の時、1kgの魚を取り 数をして、一匹当たりの平均魚体重を調べます。さらに、大小の総魚体重を量り 総尾数をチェックします。こうした平均体重や尾数を知るためにも、選別は、重要な仕事です。
●2/2 となると、ぎゅうぎゅう詰めで 汚れた水という劣悪な環境によるストレスが原因とするのが、正解ではないでしょうか。
つまり、ストレスによる脱毛症に近いのかな・・・私見です。
釣り池で いつまでも釣られないでいると、ある程度はヒレが回復してきます。釣り池のトラウトは、あまりエサを与えられていないので、共食いでヒレがなくなるとしたら
回復はしないはずです。
以上、ヒレについて 長々と書きましたが、本当の事は判りません。
KFSでは、最低限 胸ビレのあるトラウトを 基準としていますが、時々、無いヤツも釣れます。そしたら、ゴメンです。
また、ブラウンは 水が合わないせいか、どうがんばっても KFSの養殖池では ヒレがなくなってしまいます。
●1/31 では、過密養殖をすると、なぜ ヒレが無くなるのでしょう。
魚同志が、ヒレを食べあうから・・・・?
私もそう思うことがありますが、なかなか現場を押えられません。釣り池で、冬にオス同志が噛み合うのを、みなさんも よく見掛けると思います。養殖池でヒレを食べあっていたら、簡単に確認できるはずです。
次に考えられるのが、水質の悪化です。たくさんの魚を飼うと、エサもたくさん与えます。残餌や排泄物で、アンモニア濃度・亜硝酸濃度等が 高くなると同時に、溶存酸素は減ります。それによって、一番繊細なヒレの先端部から
溶けてしまうというのはどうでしょう。
人間にとって 空気が汚れることより、魚にとっての水質悪化の方が、影響が大きいはずです。
ところが、その池の排水路に逃げているレインボーは、ヒレピンだったりします・・・つづく。
●1/30 最初にヒレのあるトラウトを作るのは簡単だと書いたのは、養殖密度を下げて飼えば
きれいなヒレの魚になるし 病気も出にくいけど、商売となると そうはいかず、増産と引きかえに ヒレがなくなるということです。
どの程度の魚を作るかは、養殖業者の考え方ひとつによる訳です。実際には、胸ビレまで無くなる程の高密度養殖では、必ず 本当の病気の問題も出てくるので、尾ビレが丸くなる程度の密度が、健康的で
経済的なトラウトを育てる限界かと思っています。
釣り人が、ヒレの有無で トラウトの良し悪しを判断するのは、実は とっても正しいのです。
ただ、”引き”とは、絶対的な関係はありません。
ヒレは、養殖業者の良心です。
●1/29 なぜ ヒレが無くなるのか。
まず、私が一番養殖経験のある、おなじみレインボーで考えてみましょう。例によって、私見です。
誰もが思いつくのが、過密養殖の結果という答えでしょう。私もそう思うし、多分正解でしょう。
事実、養殖密度を上げていくと、背ビレの上の部分が、白くなった個体が目立ってきます。ただ、その部分が悪化して、弱って死んでしまうことはないので、病気とは、考えにくいです。
さらに密度を上げていくと、尾ビレの上の部分が そして下部が、同じように白くなって 削れるようになくなっていき、団扇状になります。この位までは、レインボー養殖では当たり前というか、現状では、採算性を考えると
仕方ないかと思います。
もっと、過密にすると、今度は胸ビレが削れていき、ヒレの痕跡が残るのみとなります。
私は、今まで ここまでしか知らなかったのですが、先日、他処で、腹ビレを含み、まったくヒレの無いレインボーを大量に見かけました。・・・つづく。
●1/28 みなさんは、釣り堀で釣ったトラウトの良否を、どのように判断するのでしょうか。
パワー・容姿・食味?
KFSトラウトのパワーに関しては 少し書いたので、次は 容姿です。
全体のプロポーションや色は、各人の好みもあり むずかしいので、次回にして、とりあえず 一番判りやすいヒレについて、考えてみましょう。ヒレの形はともかく、ヒレがある無いは、かなり重要なポイントで、釣って
すぐ判ってしまいます。
それだけに、トラウトの注文も、ヒレのある魚をお願いします というのが、一番多いのです。ところが、このヒレのきれいな魚を作るというのは、技術的には簡単なのですが、経済的には
とっても大変なのです。
●1/27 水車の効用4
一般的な長方形で 流れがゆるやかな池で養殖させたトラウトとの 決定的な違いは、ここにあります。KFSトラウトは、体育会系マッチョマンなのです。
釣り池の中では、のんびりしているようでも、針にかかった瞬間、水車の流れに逆らってエサを食べに行くときのパワーが、炸裂するのです。
ブロイラー対地ドリの違いかな。
一日中泳いでいるので、カロリー消費も多く、餌料効率も悪く、電気代もかかります。ブロイラー的飼い方と比べると、相当なコスト高となります。
経営的な事を考えなければ、理想的な飼い方と言えます。
●1/26 水車の効用3
水車のよって池全体に流れが発生すると、魚は その流れに逆らって泳ぎます。泳ぐのをやめて 流れに身をまかせているヤツは、いません。死にそうな魚は、流されて
排水口付近に集まります。夜どうなっているのかをよく聞かれますが、もちろん夜も泳いでいます。さすがに流れの弱い中心付近に集まっていますが。KFSのトラウトは、フ化直後から大きくなるまで
ずっとこの様に泳ぎ続けています。
KFSトラウトのパワーの秘密のひとつが、ここにあります。彼らが泳がなくてよくなるのは、釣り池に放流された時です。
そう思って見るからか、養殖池のトラウトより、なんかのんびりしているように思えます。
●1/25 水車の効用2
水車は、水中に酸素を送り込むのと同時に、水流を起こします。
KFSの養殖池のように、円形もしくは八角形の池の場合、その水流によって、池の水全体が ぐるぐる廻ります。
池の底は、中心に向かって 勾配をとおてあるので、残餌や排泄物は 中心にある排水口より 自然に流れ出ます。池全体の水がよく混ざり一定の場所に留まる事が無いので、少ない注水量で効率よく養殖できます。
池の中に 水が停滞するところを作らず 上手に排水することは、細菌や寄生虫の増殖を抑えるために、とても重要なことです。
最近では、あらゆる魚の養殖池は この様な構造を基本としていますが、普通のトラウト養殖場にみられる長方形の池に比べて、建設、維持に よりコスト高になります。
●1/24 水車の効用1
KFSの釣り池から見える養殖池には、電気モーターで回転する水車が白波をたてて、回っています。なぜ?もちろん お判りの事と思いますが、池中に酸素(空気)を送るためです。以前にも書いたと思いますが、単位面積当たりの生産量を
ある程度確保しないと、養殖業は 成り立ちません。それには、大量の水を使うか、酸素を強制的に取り込むかです。トラウトの養殖は、普通大量の河川水を引き込んで行うので、水車は
あまり使いません。特に、レインボーは、価格が安いので、昔から水車(電気)を使ってまで養殖しても、元が取れないと言われ、養殖場は、自然に 水が流れ込む場所に造られました。
●1/8 明日9日から、実質的な仕事が始まる方も多いだろう。
世の中が動き出すと、釣り堀は暇になるが、養殖 つまり魚を売るほうは、忙しくなる・・・はずだ。
しかし、今年はどうなるだろう。ニジマス業界も、今までに無い 危機に直面している。
食べる魚としてのニジマスが落ち込むことは、いつか来るものと 覚悟していたが、活魚の不振がいたい。
ご多分にもれず、売れないものは 価格が下がる。無理に売り込めば、さらに下がる・・・やたらに営業できない。
まあ、とにかく 今年も明るく がんばりましょう。
息抜きは、KFSでどうぞ!!
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